3Dコンソーシアム -3D新時代“驚きから感動へ!”-
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全体活動報告
2003年12月17日
2003年11月26日
2003年10月30日
2003年9月10日
2003年9月10日
2003年7月30日
2003年6月25日
2003年5月28日
2003年5月28日
2003年4月16日
2003年3月4日
「3Dコンソーシアム勉強会」「技術部会」報告
2003年11月26日
勉強会は、「最新3Dディスプレイの動向」をテーマに三菱電機・東芝・三星電子の各社から3人の講師を招き、「3D関連団体の動向」をテーマとしてTAO・VR学会・MRフォーラムの各団体から3人の講師を招いて開催された。勉強会に先立って開催された技術部会では、技術調査WGとアミューズメントWGの主査からそれぞれ活動経過が報告された。またあらたに立ち上げをする「放送&実写WG」と「先端技術調査WG」の活動目的・活動内容の紹介があり、参加の呼びかけが行なわれた。なお、勉強会への出席会員数は50会員(80名)であった。


京都府「デジタル疎水ネットワーク」への参画など、当コンソーシアムの対外活動について報告する泉事務局次長
「インテグラルイメージング方式」による3Dディスプレイシステムの原理について説明を行なう東芝・平山氏
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泉事務局次長あいさつ
「3D技術がもたらす新たな可能性」

会員数は現時点で幹事会員5、正会員109、大学の先生方を中心とした賛助会員39で、海外を含め計153団体が活動母体となっています。3Dの関心は高まり、お蔭様で毎月毎月会員が増えているという状況です。

今月から来月にかけて活発に対外活動を展開しています。まず、京都で「デジタル疎水ネットワーク」の完成記念式典が今月28日まで行なわれています。来月初めには「インターナショナルディスプレイワークショップ」が福岡で行なわれます。また、浜松の「日本光学会年次学術講演会」では谷口事務局長が講演予定をしておりますし、12月16日には「3D技術が生活を変える」と題した「読売・東大学術創成シンポジウム」が行なわれます。最後に、中部マルチメディアコンソーシアムでは、愛知万博を見据え万博事務局とジョイントし、私どもの事務局長の基調講演の予定もあります。

昨日から行なわれています京都の完成記念式典ですが、法人70余参集し、放送局も3〜4局取材があり、大変好評にスタートしました。3Dコンソーシアムのほうからも会員企業からの出展がありました。京都の山田啓二知事からは、いかに地域の活性化を図るかという点では、3Dに対してあらゆる市場での活躍が期待されるというお話があり、その意味で3D技術の実用化に向けて、京都大学や3Dコンソーシアムとの連携を進めていきたいという心強いお言葉をいただきました。

地方の活性化ということが叫ばれており、まだまだ地方の財政面では厳しい状況が続いておりますが、その地域にしかない観光資源とか国際化、教育、人材育成といった各地域に共通した課題があるわけで、いずれはそういった課題に3Dが非常に大きく貢献するのではないか、と考えています。われわれ3Dコンソーシアムは、こういった地方との連携を深めていくわけですが、肝心なのは1つでも2つでもビジネスに結びつけていくということです。

地方の活性化ということで昨日の新聞でも紹介されていましたが、経済産業省が4つの分野を挙げて産業活性化を図ると。燃料電池、ロボット、情報家電、バイオ、環境、コンテンツと挙げられていますが、これらは中小の企業に直接結びつくものではないのですが、最後の2つ、環境とコンテンツは、中小企業あるいは地方の活性化には大変重要な役割を果たしていくのではないか、と思います。

地域では国際化ということより、もっと身近な生活空間の快適化といったもの、たとえば面白いもの、楽しいもの、美しいものには消費者はお金を払ってでも手に入れようとする、基本的にはそういうものです。3Dコンソーシアムの技術をそういったところに働きかける意味は大きいと思います。そういった点を外に向けて積極的にアピールしていきたい。

そのひとつが、12月16日の東大安田講堂における「3D技術が生活を変える」と題したシンポジウムです。第3部では、「3D技術がもたらす新たな可能性」と題したパネルディスカッションで、我々も熱く語っていきたいと思っています。この内容は、読売新聞で全面的に内容紹介されます。1300席ありますが、新聞告知する関係上いっぱいになる可能性もあります。また、出典希望される企業は事務局に申し出てください。

海外の動きとして注目すべきことは、アジアでは3D液晶技術が非常に発達しており、まさに3Dコンソーシアムが目指す理論がアジア全域で展開されつつあるということです。

最後に、3Dコンソーシアム年次総会について申し上げます。2004年2月24日(火)にシャープの幕張ビルにて開催いたします。

以上、最近の活動報告と今後の予定についてお話しさせていただきました。3D技術は、間違いなく着実に市場が拡大しておりますので、皆様と一緒に活動を加速させていきたいと思っておりますので、積極的なご参加をお願いしまして、あいさつに代えさせていただきます。


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3Dコンソーシアム勉強会
「スキャンバックライト方式小型立体LCD」
結城昭正氏
三菱電機株式会社・先端技術総合研究所

「インテグラルイメージング方式による3Dディスプレイシステムの開発」
平山雄三氏
株式会社東芝 研究開発センター

「Multi-view Three Dimensional Display System Using PLSA Method
 (ポイント方式による多視点3次元表示)」

金成植(キム・ソンシク Kim Sung Sik)氏
三星電子(株)

「通信・放送機構での3Dプロジェクトの経験と成果、および展望」
本田捷夫氏
千葉大学・工学部情報画像工学科

「立体映像が進化したらVRになった」
神部勝之氏
株式会社ソリッドレイ研究所

「複合現実感概論と近年の動向について」
坂元一雄氏
株式会社構造計画研究所

「スキャンバックライト方式小型立体LCD」




三菱電機株式会社・先端技術総合研究所
結城昭正
当社で開発したスキャンバックライト方式小型立体液晶パネル、についてご紹介する。本方式は、いわゆる“時分割視差画像方式“であり、特徴は以下の通り。
  • 高精密な立体映像…液晶パネルの解像度と同じ
  • 斜めからも見やすい映像の実現…二重像や凹凸逆転のない平面画像
  • 小型軽量をめざす…通常の小型LCDと同じサイズと重量
立体感を誘引する因子としては両眼視差、運動視差、輻輳角度、焦点調整がある。

両眼視差を利用した立体表示装置の技術は、19世紀後半からすでに知られており、のぞき眼鏡が開発されていた。その後レンチキュラー方式やパララックスバリア方式を用いた立体写真が出てきた。

立体LCDでは、まず絵を描く段階で立体感を出す工夫があり、絵ではできない部分を視差画像で表現する。スキャンバックライト方式では視差画像の120Hz書き換えと照明方向の切り替えを組み合わせた時分割視差画像方式により、従来方式の精細度が1/2に半減することや、斜めから見た場合の二重像、凹凸逆転の発生をなくした。

従来のLCDは静止の表示が中心であったため、安定した状態でのガンマ特性を想定して電圧をかければよかった。動画を表示する場合には、Feed−forward制御により所定の時間内に目標の輝度を実現する最適電圧を選定して印加する方法が有効。実際に人間が追視する動作を模擬した首振りカメラで測定し、残像が消えテロップが鮮明になる効果を確認できる。

キャンバックライトは、光源が左右に1対ずつ2対ある点が従来のバックライトと異なる。両面プリズムシートは、光の出て行く方向を別けるプリズムとクロストークを抑えるためのレンチキュラレンズを備え、クロストークの無いくっきりした光分割を実現できる。また、薄いシートであるために広い角度に光を分離でき、斜めから見た時の二重映像を抑えることができる。

正面から見ると立体、少しずれると左右それぞれの平面が見られるという2画面表示の特性を活かし、右サイドと左サイドで異なる2平面画面を表示する新しい表示装置という利用形態も考えている。


講師紹介

三菱電機(株) 先端技術総合研究所
TFT−LCD開発プロジェクト応用グループ リーダー

略歴
1982年 三菱電機(株)入社。
以降、同社中央研究所先端技術総合研究所にて、半導体プロセス開発、TFT−LCDモジュール開発に従事し、現在に至る。工学博士。


◎講演用データ 三菱電機.pdf[zip圧縮]
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「インテグラルイメージング方式による3Dディスプレイシステムの開発」




株式会社東芝 研究開発センター
平山雄三
3Dの効果は以下の通り。
  1. 高い臨場感のあるエンターテイメントツール…感動を与えることができる
  2. 会いたい人にいつでも会えるリアリティコミュニケーションツール…安心や心のやすらぎを提供
  3. 人間の能力を最大限に引き出すツール…知的で豊かな生活の実現
当社では従来型製品にない、人に「感動」を与える製品の技術開発を行っている。

3Dへのさまざまな要求の中で、特に「特殊なメガネ不要」「見る位置によって映像がなめらかに変化する」「疲労感・違和感を少なくする」といった点に着目。今回開発した3Dディスプレイは、対角20.8インチ32視差で24万画素、160cd/平方メートル、視域角20度、1.5mでトータル視域幅50cmの回り込み観察が可能。また、対角15.4インチではリアルタイム3D表示が可能という特徴を備えている。

インテグラルイメージングは光線再生法と基本的には同じシステムで、光線群が立体映像を作る。光線の交点が発光点になり、光線を増やすことで三次元を表現することができる。利点は視域内では自然かつ連続的な映像が見られることだが、高解像度のディスプレイが必要なことや、視差数が少ないと奥行きが狭いという欠点もある。

東芝インテグラルイメージング方式の独自性は以下の通り。
  1. RGB画素配列のくふうにより水平方向の解像度を3倍に高めることで、高精細化と多視差化を同時に実現
  2. 光線方向のサンプリングを工夫することで観察距離に応じた最大の視域を確保するアルゴリズムを開発
当社3Dコンテンツの特徴は以下の通り。
  • インテグラルイメージング方式による広い視域と自然な立体感表示
  • コンテンツ開発ソフトウエアを保有しており、画像変換ライブラリによる3D動画生成やシェーダ・ライブラリによるリアルタイム3D表示が可能。広告やゲーム市場への参入に有利
今後の展望としては、インテグラルイメージング方式の利点を活かせることや、違和感・疲労感などの視覚生理学的影響が完全には解決できていないことから、直近は比較的短時間に見る対象・場面・コンテンツである広告やショールーム、イベントなどへの応用を考えている。また、医療分野にも適していると考える。テレビの場合は視域を広げる必要がある。将来的にはネットワーク接続された三次元ディスプレイが各家庭に入った情報世界をめざす。


講師紹介

(株)東芝 研究開発センター
ヒューマンセントリックラボラトリー 主任研究員

略歴
1982年 (株)東芝入社。
1991年 〜1993年までMIT客員研究員。工学博士。光半導体デバイスの研究開発、その後、立体ディスプレイシステムの研究開発に従事。1989年、篠原記念学術奨励賞受賞。電子情報通信学会、応用物理学会、各会員。


◎講演用データ 東芝.ppt[zip圧縮]
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「Multi-view Three Dimensional Display System Using PLSA Method(ポイント方式による多視点3次元表示)」


三星電子(株)
金成植(キム・ソンシク Kim Sung Sik)
「ポイント方式による多視点3次元表示」の原理について説明を行なう三星電子・金氏



講師紹介

三星電子(株)DM(Digital Media)研究所責任研究員
3D R&D Projector Leader

略歴
1990年 延世(Yonsei)大学大学院電気電子工学科博士号取得。
1990年 〜1995まで米Missouri州立大学 MCS Lab専任研究員。
1996年 三星電子(株)入社
韓国Display組合 3D分科(幹事)、韓国光学会(編集委員)、国際3DTV Forum (執行部幹事及び編纂委員)


◎講演用データ 三星電子.ppt[zip圧縮]
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「通信・放送機構での3Dプロジェクトの経験と成果、および展望」




千葉大学・工学部情報画像工学科
本田捷夫
本日は、通信・放送機構(TAO)での研究プロジェクト「三次元動画像遠隔表示プロジェクト」の結果についてと、「立体映像産業推進協議会」の発足についてお話する。


TAO研究プロジェクトの結果報告

1997年から2002年までの第2期プロジェクトでは、自然に見える立体映像をめざした三次元動画像遠隔表示についての研究が行なわれた。自然で自由な立体映像の実現には、
  • 視聴位置に応じて映像が変化
  • 生理的に自然な立体視が可能
  • 疲労が少ない
といった立体映像が自然であることや、
  • 立体メガネなどの装着物が不要
  • 任意の位置から視聴可能
  • 複数人が同時に視聴可能
などの視聴者が自由であることが必要となる。

ホログラフィ法は平面に三次元画像の波動場を記録・再現する方法だが、
  1. 実写撮影にはレーザーが不可欠
  2. 信号(データ)が従来のテレビ方式と互換性がない
  3. 情報量が非常に多い
  4. 記録デバイス、表示デバイスとして実用的に使えるものは当分実現しない
などの問題点があり、第1期の途中から違う方向を考えるようになった。

立体像観察での視域を細かくサンプリング。超多眼条件を満足する立体表示の原理は、視点の標本化間隔が瞳孔径よりも小さいことで、視点の移動に伴う像の変化が滑らかになること、単眼視差により調整刺激が再生されることが分かった。瞳孔の直径の半分以下でサンプリングしたところ、輻輳・調節の矛盾が解消され、連続的な運動視差が実現。人にやさしい自然な立体ディスプレイが実現できる。

TAO3Dプロジェクト第2期では、
  1. 超多眼立体映像表示装置の開発
  2. 映像信号の再生・処理アルゴリズムの開発とビデオレート化
  3. 目の反応状態の測定
を行った。投影光学系扇形配列方式(FAPO方式)は投影光学ユニットを扇形に配列し、視差ピッチを瞳の直径の半分以下(約2mm)に設定。観察者の眼の制御状態の測定を行った。FAPO方式は、
  1. カラー動画表示が可能
  2. 視点追従システムの実装による視域拡大
  3. 像位置への調節誘導が可能
という特徴を持っている。

多視点画像の撮影および高速処理技術の研究開発では、多眼カメラによる光源群のサンプリングを行い、リアルタイム視差補間システムを開発。
  1. 多眼カメラによる多視点撮像と前処理としてキャリブレーションを含めた平行化処理
  2. カメラ間視点の視差補間処理
  3. 観察者の視点に応じた補間生成視点制御
以上によって、視点追従立体ディスプレイに応用が可能である。しかし、一般のテレビやビデオを超多眼立体映像表示システムにするには大きなギャップがあるため、このシステムをつなげていくには、まず2眼立体表示システムを普及させることが不可欠である。


立体映像産業推進協議会の発足および活動について

現在、立体映像システムの普及のための技術インフラは一般的に整いつつある。立体映像ディスプレイの展望はさまざまだが、特に立体ビデオ(テレビ、高臨場感ホームシアター)をあげておく。それらの実現のために「立体映像産業推進協議会(立体協)」を設立。立体映像ビジネスのインキュベーション(孵化)を積極的に行う活動を進めていく。

立体協の目的は立体映像を普及させることであり、そのための啓蒙運動としかけを行うことにある。また、立体映像ビジネスに関連する団体・個人間の出会いの場を提供することもその目的のひとつである。立体協の基本スタンスは以下の通り。
  • 立体映像システムの普及のために中・長期的な視野に立ち先導的役割を担う
  • 特定の企業・団体に依存しない中立的な立場を維持する
  • 普及のロードマップを作成し、「立体映像産業ビジネス」へのタイムスケジュールの指針とする
企業や大学などによるワーキンググループ活動を実施。独立プロジェクトの立ち上げや、将来的にはベンチャーの立ち上げなどのビジネス化までを視野に入れている。ワーキンググループでは立体映像産業を推進するニュービジネスの創出を目的に市場、ビジネス、技術、コンテンツはもとより、評価や標準化など、さまざまな方向から考えていきたい。


講師紹介

千葉大学工学部 情報画像工学科 教授

略歴
1966年 早稲田大学理工学部 応用物理学科卒業。
1968年 東京工業大学理工学研究科 修士課程修了、同年東京工業大学工学部 助手。
1981年 東京工業大学工学部 助教授
1993年 現職。
工学博士(1978年、東京工業大学)この間、アリゾナ大学 Optical Sciences Center, MITMedia Laboratory の客員研究員。
1993年 〜2002年通信放送機構(TAO)3Dプロジェクトプロジェクトリーダー。
2003年 「立体映像産業推進協議会」会長。


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「立体映像が進化したらVRになった」





株式会社ソリッドレイ研究所
神部勝之
ソリッドレイ研究所は1987年に立体映像の専門会社として仲間5人と設立した。 “ソリッド”は立体、“レイ”は光線のことで、文字通り立体映像を研究する思いで出発した。設立同時はJR東神奈川駅前の15坪の事務所だった。映画「ジョーズ3」の立体映像の中で、水上スキーの女性の太ももを見て、その臨場感に感激したのがきっかけだった。

当時、コンピューター技術の発達により三次元処理が飛躍的に進歩したが、その結果は二次元であるモニター上で見るという情報漏れが起こっていた。この情報の欠落に困っている人が必ずいると感じていたところ、日産自動車の中央研究所から車のボディ周りの流体が二次元では分かりづらいので、三次元で見られるようにしてほしいという依頼をいただいた。それがきっかけで流体解析表示ソフトを開発。その後「フローアイズ」としてパッケージ化した。87年は4,000万円、88年1億円、89年2億円、90年には4億円と倍々の売上げとなった。90年当時で社員は15人、横浜のオフィスに移転した。

何を売るのかについての基本的な考えは、立体映像装置を売るのではなく、お客様が立体で見たいものを立体映像にして売るということ。三次元から二次元という情報欠落という観点から、メディアが欠落しているものを補うニーズを探すために、いろいろなお客様の要望を聞くようにしてきた。会社設立当時の主な立体映像システムには、科学技術館の「原始の探検号」や「形成外科手術シュミレーション」などがある。最近ではこれから作られる愛知万博会場のデザインチェックのための立体映像を作っている。

お客様が要望するデータを立体映像で見るという技術が進むと、見えているものを触りたいというさらなる欲求が生まれる。それがバーチャルリアリティ・システムである。文部省のメディア開発センターでは未来の教育はVRシステムが応用されると考え、10年後に向けて研究がすすめられている。


講師紹介

(株)ソリッドレイ研究所 代表取締役

略歴
1978年 上智大学理工学部数学科 卒業
1978年 カルコンプ日本支社入社。図形処理の基礎を学習。
1983年 (株)図研入社。3次元CADプロジェクトに従事する。
1987年 立体映像の専門会社(株)ソリッドレイ研究所を仲間5人と設立。代表取締役に就任。


◎講演用データ ソリッドレイ研究所.ppt[zip圧縮]
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「複合現実感概論と近年の動向について」





株式会社構造計画研究所
坂元一雄
MRフォーラムについて

旧通産省のMRプロジェクトのシステム開発に協力し、その流れから最先端のMR技術を広く産業界にご提案する場としてMRフォーラム(複合現実感ソリューション・フォーラム)を立ち上げた。立命館大学の田村秀行氏に総合監修をお願いし、今年度が第1期。活動内容は隔月に例会を開催し、最先端技術の紹介や国内外の研究、実施拠点へのMR体感ツアー、国際ワークショップ「MRの産業応用」(2003年10月)など。会員交流会や個別コンサルテーションなども実施している。

MRフォーラム事務局
E-mail: mr-forum@kke.co.jp
HP: http://www.kke.co.jp/mr-forum

複合現実感とは、現実世界と仮想世界それぞれの長所を融合し、効率の良い情報を提供する技術であり、全てをコンピューターで作ったバーチャルリアリティに対し、なるべくあるモノを使ったミックスドリアリティを指す。AR(Augmented Reality)と AV(Augmented Virtuality)の総称で、ARは実世界の中に立脚し、電子的に生成した仮想データで補強するのに対し、AVはコンピューター内に構築した仮想環境を現実世界の情報で補強することである。

複合現実感に要求される技術として、
  1. 幾何学的整合性の問題…現実世界と仮想世界の三次元座標の位置合わせ
  2. 時間的整合性の問題…視線変更等に伴う現実世界に対する仮想物体の追随
  3. 光学的整合性の問題…画質、陰影のずれを違和感なく表現する
―がある。これらを解決するための代表的な手法は
  1. レジストレーション…実世界の物体の位置を計測記録し、3Dデジタライザーマーカーを使用/トラッキング実世界でのHMDカメラ位置の取得に磁気光学式マーカーを使用
  2. 高速なレンダリング速度/CPU・GPUの進化/適切なモデリング
  3. 実写と違和感のない品質のレンダリング/形状・テクスチャー/実世界と一致した光源の位置
―である。いずれも時間的整合性の問題とのトレードオフがある。


MR技術の最近の動向について

複合現実感国際会議(ISMAR03)の産業界向けワークショップ(PIA)が行なわれた。本ワークショップはリモートエキスパート、デザイン支援、製造ライン支援などを目的にしている。そこで発表された研究・応用事例のひとつに「ARVIKA Project」があり、ドイツの自動車、航空機メーカーが主体となり設立されたARコンソーシアムで、デザインなどの開発、配線などの製造、工場などのサービスがプロジェクト構成となっていることを紹介しておく。

その他のトレンドとしては、マーカーを使用する例が多くなっており、ARTは広島大学の加藤先生やワシントン大学が主流である。キャブレーションが安易で安価。誤差の蓄積がない。あるいは複数センサーを組み合わせたハイブリッド型になっている。HMDにはあまり変化はない。小型軽量が徐々に進んでおり、広い視野角の要求が高い。高精細化への進みは今一歩である。


講師紹介

(株)構造計画研究所 設計技術部

略歴
1985年 宮崎大学工学部土木工学科卒。
同年(株)構造計画研究所入社。以後画像処理、3次元CGを中心とした究開発に従事。
1990年 〜1992年まで同社サンフランシスコ事務所駐在。
1993年 同社研究開発部にてVR関係開発に従事。
1995年 設計技術部に移籍後、複合現実感等の開発に従事、現在に至る。
主なテーマ: 画像認識、複合現実感に関する受託研究開発


◎講演用データ 構造計画研究所.doc[zip圧縮]


「技術部会」の詳細はこちらのページ

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